FEATURE 第4回目は ガラス作家 joy y. suzukiさんのガラスづくりをご紹介します。
場所は江東区にある吹きガラス工房「猿江ガラス」。
スタジオに到着すると早速、joyさんが工房内を案内してくださいました。
まず目がいくガラス炉。
炉内の温度は 1000℃以上あるそうです。
工房全体に熱気が充満し、室内は非常に暑いです。
こちらはjoyさんの制作道具。
「私の宝物」と、ひとつひとつ丁寧に
鞄から取り出していらっしゃいました。
とりわけ 真ん中にある大きなイタリア製のトングは、
とても大切なモノのようです。
吹き竿にガラスを巻きつけ、ガラスの形を整えたら、中に息を少し吹いて、下玉のできあがりです。
こちらは、joyさんが 花器, ピッチャー,
ランプシェードなどをつくる際に利用される
縦じまの型器。
素敵な持ち手つきのピッチャーが、見る見るうちにできあがりました。
作品がひとつ仕上がる度に 徐冷炉(じょれいろ) と呼ばれる480℃の炉に入れ
中で常温まで徐々に冷まします。
外気で急激に冷やすとガラスは割れてしまうのだそうです。
工房スタッフでもある ガラス作家の鈴木努さんが木ゴテでサポート。
とても息のあったコンビネーションです。
ONLINE STOREで取り扱いのある作品、pitcherもつくっていただきました。
猿江スタジオのガラスは とても良質で 純度も高く、
ご自身の理想に叶ったガラスだと joyさんは教えてくださいました。
joyさんの作品が 湧き水のように綺麗で透き通っている理由がわかります。
joyさんのガラスづくりはとても自然で穏やかです。
あまり吹かずにガラスをゆっくりと重力で傾けたり、
振り子のように揺さぶって伸ばしたり。
できるだけ自然の力に委ね、制作されている背景に、
joyさんの 自然に対する敬意や愛情を垣間見ることができます。
joyさんの頭の中の理想どおりの作品ができあがると、
顔をほころばせてとても嬉しそうにされていました。
多くの作家さんに共通することですが、
ご自身の作品ができあがる度に、我が子の誕生のように喜ばれる
素敵な笑顔が、私たちにはとても印象的でした。